平安仏教が、学問的能力を必要とした顕教にしても、きびしい修行と超人的能力を前提とする密教にしても、貴族仏教としての性格であった。

鎌倉新仏教はあらたに台頭してきた武士階級(特に臨済宗・曹洞宗)や一般庶民(浄土宗・浄土真宗・時宗・日蓮宗)へと広がっていった。

易行(いぎょう)…厳しい修行ではない。選択(せんちゃく)…救済方法を一つ選ぶ。専修(せんじゅ)…ひたすらに打ち込む。の特徴を有するといわれる。

この特徴は特に念仏を重んじる浄土系の宗派に顕著であった(他力易行門)。
念仏、題目、坐禅という救済と悟りの道は庶民や新興武士階級にも受け入れられる仏教のあり方であった。
戦乱による生活の荒廃や家の断絶、街角に遺体が放置されたり、伝染病の流行、飢饉など国家の宗教から多くの人々に救おうとする受け入れやすい宗教への変化がみられてきた。
一般的には、鎌倉新仏教とは次の6宗を示している。

浄土宗(法然)(ただし、浄土宗の開宗は厳密に言えば、平安時代末期の事である。)
浄土真宗(親鸞)
臨済宗(栄西)
曹洞宗(道元)
時宗(一遍)
法華宗(日蓮宗、日蓮)



     

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